福岡市から電車で40分ほど。川下りで有名な水郷柳川を旅してきました。柳川の川下りとはお堀めぐりのこと。約400年前に築城された、柳川城のお堀をめぐります。
乗るのはこちらの舟。「どんこ舟」というかわいらしい名前です。
どんな景色に出会えるかわくわくしながら、少し揺れる舟に乗り込みます。乗ってみると水面が近い!手を伸ばせばすぐ水に手が届くほどです。
全員が乗り込んだところで、舟はすーっと、なめらかに進み始めます。船頭さんの方言まじりのこなれた解説に、旅気分は盛り上がります。
戻りの舟とすれ違いました。こんな感じで船頭さんは竿一本で舟を操縦しています。その巧みな竿さばきには感動です。
川岸には白壁の美しい建物やゆれる柳、城下町らしい風情ある景色が。
ここ柳川は詩人「北原白秋」の出身地だそうで、川から見えるように建てられた歌碑がいくつかありました。白秋は地元柳川を愛し、柳川の風景を綴った詩をたくさん残しているそうです。
たしかに詩が書けたらきっと書きたくなるような美しい風景が続きます。
途中、頭を下げてください!といわれ、橋の下をくぐる場面も。本当に狭いので、ぶつからないかドキドキするちょっとしたスリルも味わえます。
そして、お堀に面した民家の方々が川下りを楽しめるように、いろいろな工夫をしてくれているのが印象的でした。
ちょうど3月のひな祭りの時期、こちらのお家には、地域のひな祭り“さげもん”が、舟から見えるように飾ってありました。女の子の初節句のお祝いに、親戚や祖母たちが一針ひとはり縫い上げるそうです。
そうして、この“さげもん”を雛壇の両側に飾るそうです。娘の幸せを願う、本当に華やかで美しいひな祭りですね。あちらこちらでおひな様を見かけます。
川岸の景色を楽しみながら約1時間の舟旅。両岸から伸びる木々の緑のトンネルをくぐったりして、船頭さんの心地よい解説や舟歌をバックミュージックに、ゆったりとした時間が流れます。
まさに非日常の体験、楽しくてあっと言う間に終着の降り場に着いてしまいました。
名残惜しいですが、船頭さんにお別れをして舟を降ります。
終着の沖端周辺にも観光スポットがたくさんあります。名物のうなぎのセイロ蒸しを楽しむも良し、柳川藩主立花家の邸宅「御花」を散策するも良し、1日では時間が足りませんでした。
この川下り、寒い季節にはコタツ舟が出るそうです。夏は花しょうぶや、夕涼みのビール、秋は紅葉や月見を楽しんだりと、季節ごとに違った楽しみ方ができるそうです。
また季節を変えてぜひ訪れたい、そんな場所でした。
- 料金:1,500円
- アクセス:西鉄柳川駅から徒歩3分
- URL:http://kawakudari.com/