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【太宰府】九州随一の古刹、「観世音寺」に日本最古と言われる梵鐘とお宝の文化財を見に行く

福岡県太宰府市にある観世音寺はその記述について続日本紀にまで遡れ、天智天皇が母である斉明天皇を追悼するために発願して建立されたと言われています。

それ以来九州随一の寺院として発展してきましたが災害などで一度廃れ、現在では江戸初期に再建された講堂と金堂が残っているのみですが、境内と子院跡が国の史跡に指定されています。

境内の入り口はこんな感じです。

境内の入り口

境内には両脇にクスノキが生い茂り、歩いていて気持ちの良い参道が続いています。周囲は住宅街なのですが一歩足を踏み入れると厳粛な雰囲気が漂ってきます。

境内のクスノキ

参道の一番奥、正面に見えるのが講堂です。どっしりとした屋根が乗った講堂は元禄元(1688)年に建立されたもので、福岡県指定有形文化財となっています。それほど大きなお堂ではないのですが、どこか威圧感を感じます。

講堂

講堂の左側にあるのは金堂です。こちらも寛永8(1631)年に建立された、福岡県の指定有形文化財です。

金堂

金堂の脇に唐突に大きな臼があります。碾磑(てんがい)とは中国から伝わった石臼のことで、この碾磑は日本書紀に記述が見られる日本最古の石臼だとも言われています。

碾磑

これは現在では失われてしまった五重の塔の礎石と思われます。

五重の塔の礎石

こちらの梵鐘は7世紀の終わりに作られたとされる京都・妙心寺の梵鐘と同じ型から作られたと推察されていて、現存する日本最古の梵鐘の一つと言われ、境内で唯一国宝に指定されています。あまり大きくはなく少し細身のフォルムが特徴的です。

梵鐘

ここは宝蔵。以前は講堂や金堂にあった国指定重要文化財クラスの仏像が多数収められています。残念ながら内部は撮影禁止のため建物だけご紹介。平安時代まで遡れる仏像ばかりで、まさにお宝がたくさん!

宝蔵

太宰府と言えば古代から九州統治の中心だった場所で、名所旧跡もその時代のものが多く見られますが、観世音寺もやはりその当時にまでさかのぼることができます。

当時の文化財の多くは災害により失われていますが、それでも寺に残っている文化財はどれも素晴らしく、必見です。太宰府天満宮のついでに観光することも可能なので、ぜひ太宰府を訪れたら立ち寄ってみてください。

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