櫛田(くしだ)神社は古くから博多の総鎮守として、「お櫛田さん」と呼ばれ博多っ子に信仰されてきた神社です。社伝によると8世紀半ばに建立されたと言われています。近年は博多最大のパワースポットとしても有名です。
ところで、博多の男衆は7月に入ると俄然ソワソワしだします。なぜというと、7月は年に一度の大祭「博多祇園山笠」が行われるからです。
クライマックスの追い山は例年7月15日、それまで数々の神事を執り行いながら追い山に向けて心も体も準備を整えるのです。今回は追い山を終えて祭りの喧騒も収まった櫛田神社をお参りしてきました。
櫛田神社の参道入り口です。普段の参道は博多のオフィス街の中にある、どちらかと言えばひっそりとした参道です。
お祭りの際に山を担いだ何千もの男衆が走り抜けるということが信じられないほど細い道です。
参道の終わりには明治期の博多の町屋を移築した博多町屋ふるさと館があり、博多にまつわるさまざまな企画展を行っています。
楼門をくぐれば目の前が拝殿です。ご祭神は大幡大神(おおはたたいじん)・天照皇大神(てんしょうこうたいじん)・素盞嗚大神(すさのおたいじん)で、このうち素盞嗚大神に奉納されるのが博多祇園山笠です。
こちらは手水舎とは別にある霊泉鶴の井戸です。本殿の地下から湧き出ている井戸で、立て板の通り不老長寿にご利益があるとされています。
山笠の山には担いで博多を一周する舁き山(かきやま)と、駅や商店街に置かれる飾り山があります。舁くことを前提としていないので飾り山は背が高く、装飾も豪華です。
境内にも飾り山が奉納されていて、こちらが表です。歴史上の有名な武将などがよくモチーフに使用されます。
山には見送りと呼ばれる裏面もあります。こちら側が見送りです。見送りには伝説や合戦などのほかにアニメのキャラクターなどがモチーフとなっていることもあります。
ほかにも、楼門の恵方板や博多祝いめでたにも謳われる櫛田の銀杏(ぎなん)など、決して大きい神社ではないのですが見どころはたくさんあります。
祭は終わったとはいえ、豪華絢爛な山を見るとちょっと心が沸き立ってしまいます。祭当日の境内の桟敷は300枚という超プラチナチケット。沿道にも100万人近い観光客が訪れ、早朝に行われる追い山のために交通機関は終夜運転となります。
山笠に始まり山笠に終わると言っても過言ではない博多っ子たちの心の拠り所「お櫛田さん」は、街中にありながらやはりどこか特別な空気が漂う場所でした。
- アクセス:地下鉄「祇園駅」2番出口から徒歩5分
- URL:http://hakatanomiryoku.com/spot/