福岡市の百道(ももち)地区は、1989年にアジア太平洋博覧会、通称「よかトピア」の開催をきっかけに開発された比較的新しいエリアで、ランドマークタワーである福岡タワーをはじめとした先進的な建築物が立ち並び、まるで街全体が先鋭アートであるかのような印象を受ける地区です。
今回は百道地区を歩くモデルコースをご紹介します。
9時:サザエさん通り~シーサイドももち海浜公園
出発地は博多駅。サザエさん通りの最寄り駅である「西新駅」までは地下鉄空港線で10分強、料金は260円です。西新駅の1番出口を出ると早速看板がお出迎え。
目印はこの表示。これを辿って通りを北上します。
道の途中にはサザエさんファミリーのシルエットがあったり、磯野広場があったり、サザエさん一色です。
こちらは作者の長谷川町子とサザエさんの銅像。
ここは磯野広場です。ここでサザエさん通りはよかトピア通りと合流します。
磯野広場を左折してよかトピア通りをしばらく歩くと、右手に福岡市博物館があります。国宝である「漢委奴国王」の金印や、黒田節の逸話で有名な槍「日本号」などが収蔵されています。
博物館自体も近未来的なデザインが印象的です。また、この付近から周囲のマンションやビルなども先進的なデザインのものが多く見られるようになります。
福岡市博物館の先を右折すると、福岡タワーを正面に見ながらサザエさん通りが続いています。この辺りは遊歩道になっていて、散策しやすい道です。
ここからのサザエさん通りでは、サザエさん一家の他にもさまざまなオブジェを見ることができます。こちらは菊竹清文の作品「WATER-LAND」。よかトピアに合わせて作製されました。
こちらはちょっとかわいい「BURUDON」。名前の通りブルドックがモチーフで流政之の作品です。
ちょっと唐突なのが「十体のインド神像」。サザエさん通りを挟むようにしておもむろに10体が並んでいます。とても個性的なインドの神様たちですが、不思議と周囲の近未来的な雰囲気に調和しています。
福岡タワーの近くにはこんなオブジェも。RKB毎日放送の社屋の前にある「向波容」は清水九兵衛の作品で、鮮やかな赤い色が目を引きます。
サザエさん通りを散策しながら、西新駅から1時間ほどで百道地区のシンボルである福岡タワーまで来ました。サザエさん通りはタワーの左側を回り込むようにして、タワーの真裏にあるシーサイドももち海浜公園まで続きます。
シーサイドももち海浜公園のビーチです。夏には海水浴客で賑わいます。
サザエさん通りはここで終点です。
10時:福岡タワー
ここまで来たらぜひ福岡タワーに登りましょう。
料金は800円ですが、公式サイトの割引クーポンを使うと一割引きの720円で登れます。福岡タワーからの眺望は絶景の一言。
福岡市内が一望できるので、ぜひ最上階の展望室まで登ってください。
福岡タワー周辺には飲食店も多いので、散策に疲れたらこのあたりで一休みするのもおすすめ。タワー4階のスカイラウンジで絶景を見ながらお茶というのもいいですし、シーサイドももち海浜公園から続くマリゾンの入り口にもレストランがあります。
マリゾンにはかき小屋もあるので、かきの時期ならば思い切りかきを食べると言うのも一興です。
ここからは来た道を少し戻って、百道地区を代表する建築群を見に行きます。
11時:世界の建築家通り
福岡タワーからインド神像のある交差点を右に折れ、道なりに10分ほど歩くと「世界の建築家通り」に出ます。
総合図書館西口の交差点から百道通りの交差点に出るまでの間、よかトピアに合わせて7人の建築家が建築したマンションが立ち並びます。それぞれ全く異なった個性を持つ建築物が不思議と調和している、百道地区のエッセンスが詰まったような通りです。
ぜひ近代的な建物を眺めなら散策してみてください。
今回の散策はこれで終わります。帰りは最寄りのバス停「百道浜四丁目」から博多駅博多口までバスで戻りましょう(330円/30分)。
百道地区は博多や天神から少し離れているので、もののついでにという感じで足を運ぶことは少ないかと思いますが、訪れてみるとおもしろいものがたくさん見つかる街です。
博多や天神はもう行ったから、と思ったら、ぜひ訪れてみてください。新しい福岡の魅力を感じられるのではないかと思います。