福岡県朝倉市の秋月地区はかつて城下町として栄えた歴史のある街です。鎌倉時代に秋月氏が山城を築き、その後江戸に入り黒田長政の三男・長興を始祖とした秋月黒田藩の城下町となりました。
現在は街全体が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、沿道には城下町の景観を思い起こさせる家並が続いています。
城下町のメインストリートは桜の並木が美しい杉の馬場。また古処山のふもとにあるため紅葉の季節も人気があります。季節外れの感は否めませんが、今回は真夏の杉の馬場を散策してみました。
野鳥川に架かる野鳥橋が出発点です。ここから秋月城址まで一直線に約500メートルに渡って桜の並木が続きます。桜や紅葉の季節にはない静かで落ち着いた雰囲気があります。
歩き始めて最初に目につくのが秋月郷土館です。明治期に起きた士族反乱の一つ、秋月の乱に連座して自刃した戸波半九郎の屋敷跡を含めたいくつかの館が郷土館として公開されています。
門の奥に見えるのが戸波の屋敷跡です。
道には往時を思い起こさせるようないでたちの甘味処や休憩所などが並びます。
訪れた日は付近の市で36度を記録した日でした。あまりの暑さに猫が日陰でだらりと寝転んでいたのですが、カメラを向けたら少しだけポーズをとって?くれました。
県指定の重要文化財である長屋門です。側室などが住む屋敷の通用門だったと言われています。
こちらも県指定の重要文化財、黒門です。鎌倉期の古処山城の搦手門を黒田長興が館の大手門として移築したと言われています。
黒門をくぐると秋月城址があります。奥の階段を上ったところに城があったようです。
長屋門を裏から撮影しました。時代劇に出てきそうな佇まいです。
街の風景を撮ってみました。どちらを見渡しても、のどかという言葉がぴったりの風景が続いています。
今回はいささか季節外れではありますが、おかげで人も少なくゆっくりと散策することができました。青々とした葉をつけた桜の並木も春とはまた違った風情があり、桜だけではない城下町秋月の魅力をじっくりと堪能できたと思います。
交通の便が悪いので車は必須ですが、福岡市街を抜けると心が癒されるような里山の景色が続くので、ちょっとしたドライブがてら訪れるにはちょうどいい場所です。
情緒あふれる筑前の小京都、秋月。福岡を訪れたらぜひ足を延ばしてほしい場所です。
- アクセス:甘鉄甘木駅から甘木観光バス(秋月線)で郷土館前下車
- URL:http://www.city.asakura.lg.jp/www/contents/1301026266585/