博多と言えば昔から栄えた商業の街。現在では巨大なステーションビルやオフィスビルが建つ近代的な場所ですが、駅から徒歩圏内に歴史を感じさせるスポットが数多く点在しています。
今回はそんな博多の歴史を感じるスポットを徒歩で巡るモデルコースをご紹介します。博多で半日時間が開いてしまった、とか、博多ってどこが見どころなの?という人におすすめの2時間程度のお散歩コースです。
10:00-承天寺
スタートは博多駅。博多口を出て右側に歩き、博多駅の北側から北西に伸びている承天寺通りに入ります。
10分ほど歩くと見えてくるのが博多千年門。
この門は古文書に見られる辻堂口門(つじのどうぐちもん)を再現したもので、2014年に建設されました。博多千年門をくぐると右側に美しい白壁が見えてきます。承天寺(じょうてんじ)の白壁です。
承天寺は博多っ子の血が騒ぐ博多祇園山笠、独特のコシのないもちもちとした博多うどんなど、さまざまな博多名物の発祥となったとされるお寺です。
美しい石庭はイベント時のみの公開ですが、入れる範囲だけでもその静かな佇まいを感じられます。
10:40-東長寺
承天寺から徒歩5分の場所には空海が日本で初めて建立したと言われるお寺、東長寺があります。
806年に開山されたのち荒廃したものが福岡藩黒田家によって現在の地に再興されました。そのため黒田家の菩提寺となっています。
ビル街にそびえる朱塗りの美しい五重の塔がシンボルで、木造座像では日本一と言われる福岡大仏も必見です。
また境内の六角堂は毎月28日に開帳するので、運よく28日ならばこちらもぜびお見逃しなく!
ちなみに、東長寺の道路を挟んだ向かいには圓覚寺があります。蘭渓禅師により開山された禅寺で、本尊の阿弥陀如来像は蘭渓禅師が中国から持ってきたものであるとも言われています。一般公開は行われていませんが、風情のある山門だけでもぜひ見てください。
お寺をゆっくり見学した後は博多っ子の心の拠り所、櫛田神社へ。
11:20-櫛田神社
東長寺の正面、大博通りの向こう側に見える鳥居が櫛田神社の表参道入口です。
表参道には古くからの町家が残されており、中を博物館にした博多町屋ふるさと館などがあります。参道を5分ほど歩くと櫛田神社です。
「博多祇園山笠」で山笠が奉納される神社で、7月の祭りの際には日本のみならず世界中から観光客を集めます。
そしてこちらが櫛田神社に奉納されている飾り山。
祭りで奉納される山笠には舁き山(かきやま)と飾り山があり、このうち舁き山が博多の街を走って奉納されます。飾り山とは文字通り飾るためにたくさんの装飾がされた山笠です。
神社へお参り後は上川端商店街へ。櫛田神社からは徒歩5分ほど。
12:00-上川端商店街
上川端商店街は、博多情緒の感じられる昔ながらの商店街です。
活気ある商店街で、ドラッグストアや衣料品店、仏具店などが並んでいます。
そして商店街の南側には博多うどんの名店「かろのうろん」があります。
うどん発祥の地博多で一番古いと言われているうどん屋で、お昼時はとても混んでいるのですが、ちょうどこの辺りでお昼時。散策の後でお腹もすいていると思いますので、ぜひ本場の博多うどんをご賞味ください。
また、川を渡った対岸にはうなぎの有名店「吉塚」もあります。こちらもお昼時には混んでいますが、脂ののったうなぎが楽しめますので、こちらもぜひ。
週末ならば食後のデザートに商店街名物、川端ぜんざい広場のぜんざいを。甘いあんこがお散歩に疲れた体を癒してくれます。
ちなみに、川端ぜんざいには博多祇園山笠唯一の走る飾り山も飾られています。こちらも必見です。
今回のモデルコースは古来から大陸への玄関口であった博多ならではの史跡や、商人の町を感じさせるスポットなど、博多の見どころが凝縮されているコースです。半日あれば巡れますので、博多を訪れたらぜひその歴史に触れてみてください。